視力の発達について
2つの10を横に倒すと、まゆと目の形に見えることから10月10日は「目の愛護デー」とされています。乳幼児期は、子どもの視力が一番伸びる時期ですが、実際に視力を調べる機会はあまりないのが現状です。また、この時期の子どもは自分の目に異常があったとしても、なかなか自覚ができません。この機会に、子どもの「目」の健康をあらためて見直してみましょう
弱視とは?
生まれたばかりの赤ちゃんは、ぼんやりとしか物が見えません。人はこの世に生まれ、物を見て、目から脳の神経に刺激が加わることで、物を見る仕組みが成長します。特に乳幼児期に視力が急速に発達することが分かっています。この時期に何らかの原因で網膜にはっきりとした像が写らず刺激が加わらなかった場合、視力が育ちません。どんな眼鏡をかけても視力が1・0に達しない状況を弱視といいます。ほとんどの子どもが5〜6歳で視力が1・0〜1・2と発達をしていきます。
弱視は治療できる病気ですが、6歳までに完治しておくことが望ましいとされています。一定の年齢に達するとどんなに頑張っても治療に反応せず、生涯視力が悪いままとなり生活に支障がでる場合があります。
遠視とは?
遠視とは、良く見えすぎが遠視だと誤解される場合がありましたが、本当は屈折力が弱すぎるため、遠くも近くも物を明瞭に見ることができず、視力発達が遅れてしまうことをいいます。
乱視とは?
主として角膜の湾曲が正しい球面をしていなくて、ラグビーボールのようになって、一方の方向が明瞭に見えないので同様に発達が遅れた状態をいいます。
このような、視力発達を損なうような屈折異常は、出来るだけ早期に発見し、眼鏡でその異常な屈折を矯正して、視力発達を促す必要があります。そこで最も勧めるのは3歳児健診での視力検査です。この年齢での健診が、視力発達阻害の異常を発見するのに最適な時期でもあります。そして、異常があった場合には少しでも早く眼科受診し、屈折異常を矯正する眼鏡の常用や治療を開始することが最も大切です。保育園でも、昨年度より学校保健法・日本眼科医会の基準に基づき、視力検査を始めています。遊びの中で楽しく、緊張しないよう事前に練習しながら今年度もすすめていきたいと思っていますので、ご理解、ご協力をお願いいたします。
保育から子育てを学ぶ
先日お昼寝の後から夕方にかけて、園を訪問しておりました。素敵なおやつの風景がありましたので、報告します。子どもたちのリクエストで、どらやき風おやつでした。年長児さんは、ホットプレートでその場で生地を焼いて、クリーム、あんこ(このアンコが手作りで逸品)、チョコレートと、自分たちで挟んでいただきます。部屋はのんびり、良い香りに包まれていて、昼寝後のまったりとした良い時間を持っていました。
年少さんは、焼いたものに、その場で先生が好みのものを挟んであげながら盛り付けていました。テラスにテーブルを出して心地よい時間になっていました。
おやつを食べる、という毎日のささやかな体験ですが、子どもの発達に合わせた環境を作りながら、それぞれの先生が工夫を凝らしている様子がよくわかります。
給食やおやつ作りの工夫と苦労も大変なものです。例えば、毎年、栗を使うメニューが秋を彩りますが、一つ一つの皮をむくところから調理してくださっているのを、皆さんご存知でしたか?これを愛情と呼ぶよりほかに、どう表現したらよいかわかりません。
気持ちよい保育園になるよう、誰もが主体的に創意工夫をしている姿をみて、自然とありがとうの気持ちがわく。難しいけれど、やりがいのある場だなとあらためて感じます。
(臨床心理士 青木)