保育園とくすり
子どもたちにとって保育園は、一日を楽しく元気に過ごせる場所であって欲しいと願っています。
しかし、入園し集団生活を送ることで、熱を出す、下痢をする、吐く、など、様々な感染症にかかります。
そのため、薬を飲む機会も多くなります。治療のための薬は必要なことですが、大切なことは、十分な休息、
十分な水分と栄養をとること。それが回復を早めてくれます。
@病気の治療のため薬は大切です
風邪などの病気(感染症)は薬だけではよくなりません。休養と愛情たっぷりの「時間ぐすり」が必要です。
A薬の飲み方をかかりつけ医に相談しましょう
くすりを飲みながら保育園に登園する場合もあります。
診察の際に保育園に通っていることを話し、登園が可であるか、また保育園での昼の内服ができないので、1日2回で良いか、またはお迎えの時点で1日3回の内服の昼分を内服しても良いかなど、相談してみて下さい。
B薬をのんでいることを保育園にお知らせください
薬を飲まなければならない状態は、実際回復しているとは言えません。どんな薬を何日間内服するのか等、情報をいただけるとお子さんの状態を把握するのにありがたいです。
入園時にもお伝えしましたが、保育園でお預かりする薬は、医師から処方されたもので、どうしても保育園で内服しなければならないものに限ります。集団生活であること、また誤った投薬が発生しないためにも極力、ご家庭での内服をお願いいたします。
塗り薬について
保育園では基本的に投薬はできません。塗り薬については、アトピー性皮膚炎等、慢性的な疾患でかかりつけの医師の指示のもと、どうしても保育園での投薬が必要な場合に限りご相談させていただいています。その際にはかかりつけ医を受診していただいて、保育園での投薬が必要な状態であるかを確認していただく事をお願いしています。また定期的な受診をしていただいて、塗り薬の継続が保育園で必要であるかを確認してください。保護者の皆さまのご理解とご協力をお願い致します。
SIDS(新生児突然死症候群)
1歳未満の乳児が事故や病気ではなく主に寝ている間に突然死に至ってしまう病気です。現在でも原因は不明で不幸にして年間約100人の発生が報告されていて、乳児期の死亡原因第3位になっています。うつぶせ寝や、両親の喫煙などが危険因子にあげられていて、1歳未満の発生が多いのですが、1歳から2歳でも報告があります。保育園では、現在0歳児は、睡眠時チェック表をもとに確認していますが、お子さんの睡眠中の状態をさらにしっかり把握するため、平成29年9月より1、2歳児クラスでも目視だけではなく、睡眠時チェック表のもとに入念な確認をしていきたいと思っています。SIDSはうつぶせ、あおむけのどちらでも発症しますが、うつぶせ寝の方が発症率の高い事が厚生労働省の調べでわかっています。ご家庭でもお子さんの顔の見えるあおむけ寝で眠ることをお勧めします。
保育から子育てを学ぶ
あっという間に、8月も終わり、夏仕様の園庭も、秋へと切り替えですね。今年は少し、過ごしやすい夏だったかもしれませんが、それにしても、毎日多くの園児が元気に通い、いろいろな「思いっきり」に、挑戦したことでしょう。
日焼けをして、一回り大きく、たくましくなった子どもたちが、まぶしく見えるのも、この季節ならではですね。そしてこれらの「思いっきり」の中には、絵本を読んだり、描いてみたり、作ってみたりというように、じっくりと考えたり、表現したりする遊びも沢山詰まっています。その機会は、暑さゆえにむしろ、多くなると思います。
中でも、子どもの表現活動について、保育の目指すところは、うまい下手は、関係ありません。出来上がったものの評価より、その活動を巡って、どんな対話をするかが、ずっと大事です。自分の表現の工夫を助けてもらいながら、先生と実りある対話の機会が得られたなら、どんな小さなものも、子どもは、大切に扱うようになるものです。
今日も、お子さんの手提げやポケットから、ちょっと「はてな?」と思うようなものが出てくるかもしれませんが、園では、誰にも共有されないまま、終わってしまう作品というものはけっしてありません。お子さんが、それを語ることができなかったとしても、必ずそこには、お子さんの育ちにつながる保育者との生きた対話が届いているのだと思います。
(臨床心理士 青木)
食育 「音」と「味わい」
みなさんも食事をしている時にパリパリ、ボリボリ、サクサク、カリカリなど耳の鼓膜で音を感じた事があると思いますが、この音は味わいにとても影響を与えています。咀しゃくというと、固いものをかむということを連想してしまいがちですが、そうではありません。毎日の食生活を通して、かむことを習慣化することがとても大切です。野菜嫌いの子どもが多いといわれている昨今ですが、軟らかいものを食べ慣れた子どもは、よくかんでからでないと飲み込めない野菜などが苦手なようです。その為、かまなくなり歯やあご、その周辺の筋肉の発達が阻害されてしまいます。
子どもにかむことを習慣化させる為には、食事の内容とともに、かむことに集中できる食環境づくりが大切です。日々の家庭での食事の中やたくさんのお友達と食べる園での食事の中で、よくかんで食べることとともに、食べたときの音を感じとれる感性を育てる心がけを大事にしていきたいですね。
(栄養士 佐藤)