子どもの睡眠
近年、大人の生活パターンに合わせて就寝時間が遅くなり、夜型生活の子どもが増えています。睡眠のリズムが狂うと、生活全般のリズムも狂い、子どもの成長や健康に悪影響を及ぼす心配があります。子どもの健康を守るためにも、ご家族全員で生活を見直してみてください。
<夜更かしをすると・・・>
1.睡眠不足になる
睡眠時間は同じでも、早寝早起きをしたときと、夜更かしをしたときでは、睡眠の質が異なります。質のよい睡眠をとり、朝の光を十分に浴びることが必要です。
2.生体リズムが乱れ、時差ぼけ状態に
朝の光を浴びて、体のリズムを整えないと、生体リズムはどんどん後ろにずれて、時差ボケと同じ状態になります。疲れやすい・食欲や集中力の低下などにつながります。
3.感情コントロールが困難になる
慢性的な時差ボケ状態が続き、昼の活動が十分に行われないと、日中の運動量が減少します。すると、セロトニン(脳内の神経活動のバランスを維持する神経伝達物質)の分泌が減少し、イライラしたり攻撃的になるなど、感情のコントロールが困難になってきます。
4.食生活が乱れる
遅くまで起きていると、朝寝坊になり、朝食をとる時間がなくなります。深夜にものを食べる機会も多くなり、体調不良や肥満の原因にもなります。
5.メラトニンの分泌が不足し、眠りにくくなる
メラトニンは、体を守る抗酸化作用を持つホルモン。眠気を促すリズム調整作用もあると考えられています。メラトニンは、夜暗くなると分泌が増えますが、夜更かしをするといつも明るい所にいる状態になるため、分泌が抑えられてしまいます。その結果、ますます夜眠りにくく、朝起きにくくなるという悪循環に陥ります。
〜内科健診の結果より〜
先日、春の内科健診を実施しました。全体的に、皮膚の乾燥やトラブルがあるお子さんが目立ちました。
子どもの肌はとてもデリケートです。乾燥すると、肌を保護する機能がどんどん失われるために肌荒れを起こし、かゆみや湿疹・かき傷による炎症を起こすなど、様々な皮膚トラブルが生じます。
スキンケアの基本は、「清潔」と「保湿」ですが、シャワーや入浴の際に石鹸を多く使いすぎたり、ゴシゴシ洗いすぎると皮脂が取れすぎてしまい、肌はより乾燥してしまいます。皮膚の乾燥や湿疹等がある場合には、手のひらで石鹸を泡立てて、そのまま手で優しく洗ってあげることをお勧めします。
また、ご家庭での保湿ケアで症状が改善しない場合には、受診をして肌の症状にあった治療を相談してください。
保育から子育てを学ぶ−保育には子育てのヒントがいっぱいあります−
入園、進級おめでとうございます。築山の桜も、この園と一緒に成長して、皆さんをお迎えしたことと思います。今年もコラムを連載します。どうぞよろしくお願いします。
保育園のすごいところの一つは、春休みがないことだと、この時期いつも思います。幼稚園や学校には、春休みがあって、子どものいない時に、新年度の準備ができますね。保育園は、それができません。卒園式をした子どもが3月末日まで園に通い続けていますし、保育をしながら、少しずつ保育室の引っ越しが行われます。同じような部屋でも、年齢に合わせたしつらえが施されており、担任と子どもの組み合わせによって、いろいろな保育環境が構成されていきます。
今は、子どもたちが退園後も、各部屋で先生方が住み心地の良い保育環境にしていくためのマイナーチェンジが行われています。
子どもの方も、興奮したり新しい場面に入りにくかったりしながらも、この移行期を乗り切らんと、果敢に生活しています。先生方は、クラスの子どもの多様な反応を考慮しながら、みんながほどほどに住みやすい環境を整えていくわけですので、それがどれだけ大変なことか、想像に難くありません。毎年当たり前のように、クラスのまとまりができてくるのですが、子どもと先生と環境の織りなす芸術品のようなものだと思わざるを得ません。正解は一つではありませんし、必勝法もないところで、試行錯誤を繰り返しながら、まとまりのあるクラスが出現してくるのですから。
世の中の全てが新しい一年への移行期となっていますので、大人も子どももそれなりのエネルギーを使います。
ご家族共に、健康第一に、充実した毎日となりますように。
(臨床心理士 青木)
食育 食材の大きさについて
保育園では、子どもの成長に合わせて給食の食材を大きく切り、食事提供をしています。なぜ、大きく切った食材を提供しているかというと、噛む力をつけられるようにしているからです。噛むことは、子どもの成長発達に必要な栄養を効率よく吸収するとても大切な役割があり、脳の発達にも役立つと言われているかです。
現代の食事は、口当たりがよくやわらかい食べ物が多いため、噛まない食事が多くなり顎の成長と歯並びに影響してきます。なので、しっかりとした顎を作るために保育園では食材を大きく切ることで、自然に子どもの噛む回数を増やすように工夫しています。ご家庭でも子どもの成長を促すような食事の工夫をしてみて下さい。
(栄養士 宮本)