保育から子育てを磨く
今年もあとわずか。本当に時が立つのはあっという間ですね。
年が明けると、年度の振り返りが、いろいろなところで行われると思います。クラス全体として、園全体として、あるいは、子ども一人一人の成長として、そして、職員として。 園がスタートしてからの歴史を振り返ることもあるでしょう。
この「歴史」というところは、実は私もスタートからこの園の様子を見守ってきたので、感慨深いものがあるのです。
先日、シカゴの方々が交流にお見えになりました。その時の様子を共有させてもらって思ったことは、長房西保育園の園児さんの、人との触れ合い方の成長です。新しい人を受け入れ、楽しみを共有しようと自然と考えて、交流することができているのです。
この園が、以前の園から引き継いで、園児はそのままで、スタッフが入れ替わりました。この頃子どもたちは、大人を叩いたり、ヤジを飛ばしたりして、関わってきました。
考えてみれば、大人が全部交替してしまうのですから、自分たちのテリトリーに、侵入者がやってくるのと同じくらい、疑心暗鬼になって当然です。でもそれ以上に、子どもたちが、大人のことを心の底で怖いと思っているのかな、そう思うときがありました。
そこから、大人と子どもとみんなが集まると楽しみが増すことを、毎日の生活の中で繰り返し体験でき、信頼が積み上げられてきたのだと感じます。自分の身を守ることは大切なことですが、ポジティブな結末を予感しながら、新しい体験を受け入れていける資質は、子どもたちの将来を大きく育てるチャンスを作って行くと信じています。
良い年をお迎え下さい。
(臨床心理士 青木)
食育―「音」と「味わい」―
みなさんも食事をしている時にパリパリ、ボリボリ、サクサク、カリカリなど耳の鼓膜で音を感じた事があると思いますが、この音は味わいにとても影響を与えています。咀しゃくというと、固いものをかむということを連想してしまいがちですが、そうではありません。毎日の食生活を通して、かむことを習慣化することがとても大切です。野菜嫌いの子どもが多いといわれている昨今ですが、軟らかいものを食べ慣れた子どもは、よくかんでからでないと飲み込めない野菜などが苦手なようです。その為、かまなくなり歯やあご、その周辺の筋肉の発達が阻害されてしまいます。
子どもにかむことを習慣化させるためには、食事の内容とともに、かむことに集中できる食の環境づくりが大切です。日々の家庭やたくさんのお友達と食べる園での食事の中で、よくかんで食べることとともに、食べたときの音を感じとれる感性を育てる心がけを大事にしていきたいですね。
(栄養士 佐藤)