毎日気温・湿度ともに高い日が続いていますが、子どもたちは元気にプールや水遊びを満喫しています。そこで見落としがちになってしまうのが子どもの体力と疲れです。子どもはいつも元気そうに見えますが、実は体力の消耗がとても激しく、意外と疲れが溜まっているものです。疲れたままの体では、病気にもかかりやすくなってしまいますので、お休みの日も生活リズム(特に昼寝や睡眠時間の確保)を崩さないよう配慮してあげて下さい。
7月は手足口病の流行がありました。まだまだ夏に流行する感染症の続く季節でもあります。登園時は十分な体調チェックをお願いします。
また夏のレジャーはお子さんの健康状態に合わせて、無理のないプランを立ててあげてください。旅行や外出から帰った後は、一日お家でゆっくりと十分な休息をとってから登園できるくらいのゆとりがあると、お子さんも普段の生活に戻りやすいと思います。怪我や事故などに十分注意して楽しい夏をお過ごし下さい。
ヘルパンギーナ
- 対策:
- ウイルスの飛沫感染。
- 症状:
- 高熱、のどの痛みが特徴。のどに水疱(すいほう)や潰瘍(かいよう)ができる。痛みがひどく、ミルクや水分が飲めなくなったり、食事が取れなくなることも。
- 対応:
- のどの痛みは、熱が下がってからも続くことがある。熱やのどの痛みがあるうちは、安静に過ごすようにしましょう。
咽頭結膜熱(プール熱)
- 対策:
- ウイルスによる飛沫感染。目やにや便からうつることもあるので、プールの水を介して感染する可能性も。
- 症状:
- 39℃以上の発熱とのどの痛みがあり、目のかゆみ、痛み、充血、涙など結膜炎のような症状が出るのが特徴。
- 対応:
- 感染したら、症状がなくなったあと2日経過するまでは登園停止。自宅で安静に過ごすように。医師の許可が必要です。
流行性角結膜炎
- 対策:
- 目とまぶたの裏側を覆っている結膜にアデノウイルスが感染して起きる炎症。ウイルス性の結膜炎の中でもっとも感染力が強く、プールの水だけでなく、タオルの共有や手指の接触によっても感染する。最近は季節に関係なく発症する傾向がある。
- 症状:
- まぶたのはれや異物感、痛み、充血。目やにで目が開けられなくなったり、発熱や下痢を伴うことも。
- 対応:
- 完治まで2〜3週間かかり、症状が消失するまでは登園停止。感染予防のため、こまめに手を洗い、タオルの共有は避ける。
手足口病
- 対策:
- ウイルスによる飛沫感染。
- 症状:
- 手のひらや足の裏、口の中に小さな水疱(すいほう)や赤い発しんができ熱が出ることも。
- 対応:
- 解熱後1日が経過し、普通の食事がとれて、元気があれば登園できるが、まれに髄膜炎などの合併症を起こすことがあるので、頭痛やおう吐を伴う発熱が3日以上続くときは、すぐに受診をしましょう。受診を。
とびひ
- 対策:
- 虫刺されや湿疹をかきむしったあとに、黄色ブドウ球菌が感染して起こる。皮膚が弱いとかかりやすい。
- 症状:
- 皮膚に水ぶくれができ、破けて赤くむけたような状態になる。
- 対応:
- 主な治療法は抗生物質の使用だが、衣服を清潔に保つことも大切。患部を覆って登園するように。また、症状が改善するまでプールは避ける。シャワーを浴びる程度ならOKです。
水いぼ
- 対策:
- タオルやビート板の共有、体の接触などで感染する。
- 症状:
- 粟粒大のいぼが胸や腹、わきの下などにできて広がる。
- 対応:
- 完治まで半年から1年半程度かかる。肌のバリア機能が低下しているときや、かゆくてかきこわしてしまうようなら、医師と相談のうえ、いぼを取ったり、薬による治療を行うこともあります。
保育から子育てを磨く
夕方、異年齢の子どもたちが一緒にホールで過ごしているときのことです。 熱心に絵本を広げる、5歳児さんがいました。壁にちょっと寄りかかって膝の上に本をおいている様子が、何とも言えず、可愛らしく感じられます。
読んでいたのは、中川李枝子さんの「そらいろのたね」でした。頁をめくるたびに、お部屋が大きくなり、お客さんが増えていきます。ゆっくりゆっくり、文字を指で追って、つぶやきながら、話のリズムに呼吸が重なって、入り込んでしました。
4歳児さんも本を広げています。まだ、文字は読めないのだと思いますが、お気に入りの本なのでしょう。頁の絵にぴったりとあったストーリーをあたかも絵本を読んでいるように、声を出して読みます。その「お話し」を聞きにやってくるお友達もいます。
そこに再現されているのは、絵本を読んでいるときのクラスの一場面だったのだと思います。文字が読めるようになる前に、たっぷりと、物語を体現するような、本読みができることは、本当に大事ですね。物語の次への展開を予期でき、期待しながら頁をめくれることが、自分で文字を追って読むことが難しい時期にも、絵本に触れようとする動機を支えてくれます。
絵本が終わった後、「そらいろのたね」の教訓らしきものを、その子は教えてくれました。もちろん、本のどこにも書かれていません。これを読んでくれる大人の受け売りかもしれません。それでも、本を読み終えた子どもが自ら伝えてくれたことは、私にとって、確かに、大きな教訓だったのです。
(臨床心理士 青木)
食育−夏野菜と食事−
暑い日が続き、子ども達の食欲も低下してきていると思います。保育園では、いろいろな工夫をしながら、子ども達にいっぱい食べてもらえるように夏野菜を使用した献立を多くいれています。
なぜ夏野菜を多く使用しているかというと、旬の野菜にはその季節に食べる理由があると言われているからです。そこで今回は、夏野菜の効能などについて話をしたいと思います。夏野菜と言えば、きゅうり、トマト、なす、ピーマンといった野菜が代表的です。
トマトやピーマンには、ビタミンCが多く夏の日焼けでダメージを受けた肌のシミ防止や疲労回復にも効果があります。また、きゅうりやなすは、水分が多い野菜なので利尿作用があり、暑い体を冷ましてくれます。なすやトマト、ピーマンは油炒めで調理をすれば、栄養価がアップするので、ご家庭でも、子どもの食欲がない時には夏野菜をうまく利用して、煮物、和え物、炒め物、蒸し物などいろいろな料理を作ってみて下さい。
(栄養士 石井)
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