年の瀬を迎え何かとあわただしい12月、生活リズムが崩れがちで、また感染症も流行る時期でもあります。現在保育園では、感染性胃腸炎の流行、水痘(水ぼうそう)の流行もひと段落となっていますが、八王子市内では、まだ流行している地域もあるようです。そしてこれからは、インフルエンザの流行も予想されます。年末年始は外出や来客も多く生活リズムも乱れがちです。新年の登園にそなえて、1日でも自宅でゆっくりと過ごせる日があるといいですね。
鼻水・鼻づまりは大丈夫?
鼻水や鼻づまりをほうっておくと、鼻や喉の粘膜が炎症を起こし、他の病気の原因となることもあります。鼻水鼻づまりが気になったら、早めに病院を受診しましょう。
鼻かみは、ゆっくりと片方ずつ
子どもが自分で鼻をかむ場合、ゆっくりと片側の鼻の穴を押さえながら、少しずつかむように教えましょう。強くいっぺんにかむと、鼓膜に圧力がかかり、中耳炎の原因になることもあります
副鼻腔炎(蓄膿症)って?
顔の骨の中にある空洞(副鼻腔)に炎症がおこった状態を副鼻腔炎といい、慢性化して、うみがたまった状態が続くこともあります。かぜが原因で起きることが多く、ねばねばした黄色っぽい鼻水が出たり、鼻がつまったりします。また、顔、頭が重く感じ、注意力が散漫になったり、発熱することもあります。繰り返すと慢性化するので、きちんと治療することがたいせつです。
知っておこう! 冬のスキンケア
子どもの肌が荒れやすいワケ
子どもは、肌のバリア機能が未発達なので、乾燥すると、そのバリア機能がどんどん失われるため、荒れていくのです。肌を保護するバリアがない状態なので、乾燥肌が進むと、あかぎれや発しんなど、さまざまな皮膚トラブルが出やすくなります。
あかぎれになったら
皮膚が極度に乾燥し、潤いがなくなることで外からの刺激を受けやすくなり、割れて炎症を起こしたものがあかぎれです。基本的なケアは、ワセリンなど油分が入った保湿剤を塗り、血行をよくすることです。ただ、切れた部分から細菌感染を起こして、じくじくしてしまうことがありますので、その場合は、皮膚科を受診しましょう。抗生物質やステロイド剤で治療することもあります。
スキンケアの基本は、清潔と保湿
清潔と保湿が、健康な皮膚を作る基本です。外あそびや手洗いのあと保湿クリームを塗るなど、日常的なケアを心がけましょう。また、冬でも半そでで過ごすお子さんがいますが、冬に肌を出していると、肌の状態が悪くなることがあります。乾燥肌が気になる場合は、長そで・長ズボンを着用したほうがよいでしょう。
保育から子育てを磨く
子どもたちは、クリスマスプレゼントを楽しみにしていたようですね。中には、「自分は、よい子だったから、良いものがもらえる。」と、話している園児さんもいました。
保育場面では、この『良い子』について、いろいろと悩ましく思うときがあります。例えば、何かができてほめるとき、『良い子ね』といいます。お手伝いをする子どもは、『良い子ね』と言われることを期待しているし、自分が良い子であることの根拠にします。
騒がしすぎる子どもに『良い子にしなさい』と言うとき、『悪い子』である子どもが照らし出されます。子どもは、大人とつながることを何よりも大切にするので、大人の勝手な基準であるかもしれないのに、それに合わせて自分の価値を一生懸命高めようとします。そして、それができないと、自分を責め、嫌になり、自分のことを投げ出してしまったりします。一体、私たちは何を子どもに伝えるつもりだったのでしょう。私たちが伝えたい本当の『良い子』の意味は何なのか。
そんなとき、思うのです。『ママの可愛い良い子ちゃん!』『パパの大好きな良い子ちゃん!』と言ってみてはどうかな、と。
たぶん子どもは、自分が何かができるとか、悪いことをしないとか、そういう条件を心配することなく、自分を信頼できるようになるでしょう。だって、自分の大好きなママやパパが、自分のことが大好きでたまらなくて『良い子だ!』と呼んでくれるのですから。
クリスマスやお正月は、全ての子どもにとっての『良い子ね』が、こんな意味に満たされるよう、願っています。
どうぞよいお年をお迎えください。
(臨床心理士 青木)
食育-冬野菜について-
これから、寒さもより一層厳しくなると思います。そんな時は、冬に旬を迎える野菜を食べるのがおすすめです。冬野菜には、大根・人参・白菜・ごぼう・ほうれん草・ブロッコリーといった野菜が代表的だと思います。そこで、今回は冬野菜の効能についてお話をしたいと思います。冬野菜は、体を温めてくれる効果があり、ビタミンCも含まれているので、風邪予防にもなります。また、お鍋にする機会も増えてくると思いますが、栄養素が水に溶けだす野菜もあるので、煮汁も一緒に食べるのがおすすめです。保育園でも、旬の野菜をたくさん使用した献立を入れています。ご家庭でも、冬野菜を取り入れ寒い冬を乗り切れる体作りをしてみましょう。
(栄養士 石井)
子ども目線-いっしょにやろう-
君たちは教育についていろいろ話してもらうでしょうが、少年時代から大切に保たれた、何かそういう美しい神聖な思い出こそ、おそらく最良の教育にほかならないのです。そういう思い出をたくさん集めて人生を作りあげるなら、その人はその後一生救われるでしょう。そして、たった一つしかすばらしい思い出が心に残らなかったとしても、それがいつの日か僕たちの救いに役立ちうるのです。」
(ドフトエフスキー著原卓也訳『カラマーゾフの兄弟(下)』新潮文庫)
教育というと出来る出来ないが一つの尺度になり、教え込んで、出来るようにさせることが大切だと思われがちです。確かに子どもの能力を開発し、伸ばすことが思うように出来れば、素晴らしいのかもしれません。一方で心の育ちは見えにくいですから、あまり評価の対象になりません。しかし、豊かな社会生活を営むためには、人(自然)と仲良くしたり、人の事を思いやったりする力も必要です。そこで、考えなくてはならないのが、誰からどのように学んでいるかというプロセスなのだと思います。それは家庭生活も同じだと思います。子どもといる時はいらいらしないで、長い目で子どもの育ちを楽しみにする力が求められます。お正月はその事を学ぶよい機会にしてください。
(園長 島本)
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