今月は、全体的に高熱や咳の症状がみられるお子さんが多く、乳児クラスでは「RSウイルス感染症」が数名続きました。中には、重症で入院した子もいましたが、9月13日付で、東京都からもRSウイルスが急増しているという発表がありました。八王子市内でも、週単位で倍増しています。さらに、2週間ほど前から、市内でも「インフルエンザ」の報告が出ている地域があります。先日、都内の小学校では、今シーズン初のインフルエンザによる学級閉鎖があり、新聞にも取り上げられていました。
RSウイルスもインフルエンザも、例年冬に流行するのですが、近年では様々な病気が季節を問わず発生しているように感じます。乳幼児は、エチケットマスクやうがい・手洗いなどの感染予防ができないため、くしゃみや咳・鼻水により、集団生活においてはあっという間に流行してしまう恐れもあります。幼児には、咳が出ているときのエチケットマスク着用をお願いしていますが、慣れるまでには時間がかかるお子さんもいると思います。発熱以外にも、何らかの風邪症状が見られる場合には、早めに受診をして集団生活が可能かどうかを医師に相談してください。
症状がおさまるまで治療をする、体調に変化があればその都度受診をすることも大切ですね。保育園では、毎日100人以上のお子さんが1日のうちの長い時間を過ごしていますので、病気のうつし合いの場にならないよう、保護者の方々のご理解とご協力をお願いいたします。
RSウイルス感染症
原因
「RSウイルス」の感染によって起こる集団流行しやすい感染症。感染力が強く、特に1歳未満の乳児は重症化しやすく気管支炎や肺炎を起こす。2歳までには、ほとんどすべての子が感染すると言われており、どの年齢でも再感染は起こるが、一般的には年長児以降(成人含む)は重症化することは少ない。
感染経路
ウイルスを含むしぶき(飛沫)が感染者のくしゃみや咳で空気中に放出され、それを吸い込む、あるいは手指を介して接触することにより感染する。
潜伏期間
2〜8日(通常4〜5日)
症状
発熱、鼻水や咳などの風邪に似た症状で始まり、呼吸時にヒューヒュー、ゼーゼーといった音が出る。重症化すると危険な状態になることもある。
<合併症> 気管支炎・肺炎では、入院が必要となる場合が多い。
対応
RSウイルスに対する根本的な薬はない。早めに受診し、こじらせないようにすることが第一。重症の場合には、酸素吸入・点滴など呼吸管理が行われる。
感染期間
通常3〜8日間(熱が下がっても、1週間ほどは咳などによりウイルスが排出されるので注意が必要)
登園基準
呼吸器症状が消失して全身状態が良いことを医師に確認してもらってから。
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10月4日(木) 10:40〜
全園児対象の内科健診があります。当日はなるべくお休みをしないようご協力をお願いいたします。(体調不良で欠席された場合には、後日受診となります。)
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10月22日(月) 第2回 ぎょう虫検査提出があります。詳細は後日お知らせいたします。
保育から子育てを磨く
運動会が近づいていますね。長房西保育園の素敵なところは、大人の物差しでみた成果への期待を、良い意味で毎回裏切ってくれるところです。みんな一生懸命練習して、工夫をして、悩んで、と準備にかかるエネルギーは大変なものですが、当日競技の序列にこだわる人は、ほとんど見かけません(笑)。きっと運動会に向けて歩んでいく過程の中で、子どもと先生が大切にしてきたものが、まったく別の次元にあるものだからでしょう。
この園が一貫して大切にしているものの一つは、どんな小さな子どもでも、自分で選択する、何かを選び取って行動する体験です。一見自由放任と誤解されるかもしれませんが、「自分勝手」、とは全く異なるのです。子どもをそのままにしておくと、自由にやりたい放題やってしまうから、制限が必要だという考えは、たいていの大人が思うことです。それも正解です。しかし、もっと大切なのは、制限をかける前に少し待ってみること、子どもに問いかけてみることなのです。
園の子どもたちを見て、いつも驚かされるのは、子どもたちなりに考えている、という事実です。かけっこ一つとっても、みんな一人一人得手不得手がある。自分一人が良くても勝てないし、第一、つまらない。それじゃあどうすればいいんだろう?
年長さんは、すでにこういう様々な複雑な状況の中にあって、どうすればみんなが楽しいかを考え、工夫する力を備えているのです。激しい興奮や複雑な感情を抱えきれずに、崩れてしまうときもありますが、運動会に向けて、子どもの思いが一つになっていくターニングポイントが生まれる瞬間がやってくるのです。保育者も、本当に精一杯がんばっていますので、どうか皆様で、温かく見守って下さい。
(臨床心理士 青木)
食育−「UMAMI」は世界の共通語−
甘い(甘み)、しょっぱい(塩味)、酸っぱい(酸味)、苦い(苦み)の4つの基本の味に加えて、日本人には第5の味覚としてうま味が加わります。うま味とはコンブやかつお節、煮干し、干しシイタケなどに代表される「だし」の味のことです。
今、「UMAMI」という言葉は、世界の共通語にもなっていますが、その事を研究し、化学調味料でそれを出す食品がたくさんあるので、その事もおおきな心配事です。
コンブのグルタミン酸、かつお節のイノシン酸、干しシイタケのグアニル酸が代表的なうま味の成分です。イノシン酸は魚、肉などのたんぱく質にグルタミン酸は野菜のトマトにも多く含まれていて、料理の味を高めています。子どもにとっては、だしを取るのも楽しい料理体験なので、料理のおいしさが倍増する「うま味」の相乗効果を、本物のだし取りを通して体験してみてはいかがでしょうか。
(栄養士 佐藤)
私はモデル−かっこよく生きる−
夏の間、5歳児がいろいろなクラスで過ごした事が、遊びや歌、ダンス、生活など、様々な部分でたくさんの学びの機会を小さな子どもたちに与えてくれました。それはよいことばかりではなかったかも知れませんが、ほとんどが真似をしたくなるような、素晴らしい身近なモデルでした。その理由は、年長さんたちが小さい子ども前で『いつもの自分以上にいいところを発揮しよう』と考えながら活動していたからだと思います。実際各クラスでたくさんほめられたという報告を受けました。
ここで私たちが学ぶことが2つあります。一つは、『人は身近なモデルから学ぶ』という視点です。大人は子どもに「何回言ったらいいの!」と、いくら教えても行動に移せない子どもの事を嘆く人が多いのですが、知識的なことは教える事が出来たとしても、心の育ちは日々の繰り返しの中で、子どもたちが自ら学んでいくという過程が中心になるため、モデルとして側にいる人たちの存在がとても大きいのです。子どもが周囲の人に似てくるのは、その人をモデルとして育っているからです。そこに必要なのが2番目の学びの、よりよいモデルという部分です。5歳児たちはすでに人の役に立つ喜びを十分知っていますし、かっこいい自分をイメージしながら、さらに自分を高めていこうとする生き方をしています。
このような学び方には、先にも言いましたがあこがれのモデルが必要です。それは子どもたちだけでなく、私たち大人にも必要なのかも知れませんが、自分がモデルであることを意識してかっこよく生活したいものです。
(園長 島本)