毎日気温が高く、大人が滅入ってしまうほどの日々ですが、子どもたちは元気にプールや水遊びを満喫しています。そこで見落としがちになってしまうのが子どもの体力と疲れです。子どもはいつも元気そうに見えますが、実は体力の消耗がとても激しく、意外と疲れが溜まっているものです。疲れたままの体では、病気にもかかりやすくなってしまいますので、お休みの日も生活リズム(特に昼寝や睡眠時間の確保)を崩さないよう配慮してあげてください。
特に、夏のレジャーはお子さんの健康状態に合わせて、無理のないプランを立ててあげてください。旅行や外出から帰った後は、一日おうちでゆっくりと十分な休息をとってから登園できるくらいのゆとりがあると、お子さんも普段の生活に戻りやすいと思います。怪我や事故などに十分注意して、楽しい夏をお過ごしください。
熱中症
強い日差しや高温多湿の気候は、子どもたちの体に大きな負担がかかります。周囲の大人が正しい知識を身につけ実践することで、子どもの熱中症を予防することができます。
どうして起こるの?
高温多湿な環境下で、体内の水分や塩分のバランスが崩れたり、体温調節機能がうまく働かないことにより、体内に熱が溜まり、汗がかけなくなることで体温調節ができなくなるために起こります。体調にもよりますが、気温32℃以上、湿度60%以上の環境で、十分な水分補給をしないで運動すると発症しやすいといわれています。さらに、子どもは大人よりも脱水症状を起こしやすいので、より注意が必要です。症状は、めまい・立ちくらみ・筋肉の硬直・大量の汗・頭痛・吐き気・体がだるい・力が入らない・けいれん・体温がどんどん上がる・意識障害・普段どおりに歩けないなど様々ですが、環境条件と個人の体調による影響とが組み合わさることにより、熱中症を起こす可能性が高まります。
「熱中症?」と思ったら 〜意識がある場合〜
涼しい所で休ませる |
涼しく風通しのよい場所に移動し、本人が楽な姿勢で寝かせる。衣服のボタンやベルトを外す。
|
水分・塩分の補給 |
イオン飲料など、少量の塩分が入ったもので水分補給をする。
|
体を冷やす |
首の後ろに保冷剤や氷、冷たいタオルなどを当てながら風を送る。
|
こんなときは救急車を!!
※救急車到着までは、子どもを動かさないようにし、水や氷で首・わきの下・足の付け根などを冷やしながら、あおぐなどして体を冷やす。
- 意識がない・普段通りに歩けない
- 水分の補給ができない
- 呼吸が不規則で脈が弱い
- 唇・爪・皮膚が青紫になっている(チアノーゼ)
- けいれんを起こしている
- 熱が下がらず、ますます上がっていく
熱中症にならないために
- 外に出るときは、必ず帽子をかぶる。
- 外に出る時間帯・長さ・場所を考慮する。
- 水分・塩分・休憩をこまめにとる。
- 涼しい服装にする。
- 扇風機やエアコンを利用した温度調節をする。
- 高温の室内や車の中でも熱中症は起こります。絶対に、子どもをひとりにしないでください。
保育から子育てを磨く−保育には子育てのヒントがいっぱいあります−
節電モードでことさらに暑い夏ですね。長房西保育園で子どもたちの様子を語る先生方に接していると、夏休みの時期でも、安心してお子さんを預けられる環境が維持されていると思えます。お子さんが学童保育にお弁当を持って出かけるようになった多くの親御さんが、夏休み期間に保障される子どもの育ちの環境の格差に愕然とします。どんなに学童保育の先生方が頑張っても、設備や給食などのシステムを個人で作り出すことはできません。
こうした保育が国から守られている最低限の基準に加えて、園独自の努力は大変なものです。水遊びのお楽しみや、沢山の魅力的な活動はもとより、しっかりとした食育、子どもの体調への気遣い。集団生活でありながら、ここまで一人一人を丁寧に見守ることができる園の手厚さは、子どもと本物のコミュニケーションがとれているからこそ、実現できるのではないでしょうか。もちろん夏は、子どもは、毎日保育園にやってくるだけで、大人以上に体力を消耗させています。親御さんたちが、なんとかやりくりして、家族サービスでレジャーや旅行に、というときになって、子どもたちが体調を崩してしまうこともおきがちです。保育園では、たっぷり育つ環境に満ちた空間と時間の中で過ごしていますので、ご家庭で、その日のことなど、少し会話を楽しめるよう心がけてもらい、あとは、ぐっすりと早めに眠れるようにしてあげてください。こんなちょっとしたことですが、家族で楽しい思い出を作るその瞬間を、子ども自身が思い切り楽しむために、大きな力になるはずです。ゆっくり、のんびり 元気に毎日を過ごし、そしてどの子どもにも、良い夏の思い出が作られることを願っています。
(臨床心理士 青木)
食育−保護者のリクエストメニュー−
7月は、夏野菜の収穫の時期で、園でも色々な種類の野菜が収穫できます。
子ども達は、園庭に野菜を探しに行っては、みんなうれしそうな笑顔で給食室に野菜などを持ってきてくれます。
持ってきてくれた野菜は、できるだけシンプルにそのままの味を楽しんでもらうようにしています。子どもたちも自分たちで収穫した味は格別のようで「おいしい」、「甘いね」と喜んで食べています。
今年はバジルが豊作で子ども達がいっぱい摘んできてくれました。バジルはお家では食べる機会があまりないと思いますが、最初に摘んできた日にちょうどサラダがあったので上にトッピングして食べました。摘みたてのバジルは香りが強く、匂いでだめという子もいましたが食の体験としては、いい体験でした。
生だと少しくせがあるので、子ども達にもおいしくバジルが食べられるだろうと付合せのスパゲティーの中に入れてみました。すると驚くことに今度はすべて完食でおかわりした子もたくさんいました。同じ食材でも調理の仕方によってはたくさん食べたり、全然たべなかったりと子どもたちの正直な感想は給食やおやつを作っていくには大事な意見なので、今回の発見を大切にして給食やおやつ作りにいかしていきたいと思います。
(栄養士 佐藤)
子ども目線−ケンカの気持ち−
Aちゃんがちょっと涙目、しかも身体からは怒りのオーラが出ていましたが、私と目が合うとそのままクラスの隅に移動し、姿が見えなくなりました。しかし、しばらくすると我慢できなかったんでしょう、怒りながら私のところに来て、「Bちゃんが意地悪して私をたたいた」と訴えてきました。そこで、Bちゃんを呼んで話を聞くと、確かに叩いたという返事が返ってきました。しかし、「Aちゃんが私達の遊びに、入れても言わず、しかもかってに小犬役になってやって来たんだもん。私達小犬ごっこなんかしてないし・・・。」と怒っています。小さいうちのケンカはものの奪い合いが原因と言うのが多いのですが、遊びの仲間に入るのにもタイミングや人間関係があって、そのトラブルは年齢が上がるに従って複雑になっていきます。どうやらけんかは体験を重ねる事で様々なことを学び、問題解決が上手くいくようになると考えるのは間違いのようで、年齢が大きくなり、感情が豊かになり、色々なことを考えるようになると、どんどん解決が難しくなるのです。しかし、そのことは、子どもの個性が育ってきたいという証明でもあります。子どもが大きくなると、その扱いが難しくなりますが、それも同じ理由です。
初めの話に戻りますが、そういった意味で“けんか”を考えると、その場にいる大人の役割は、善し悪しを決めるのではなく、おたがいの思いの違いを、いかに多く伝えることができるかにかかっていると思うのです。この時も「入れて」と言わなかったけれど、だまって犬になって近づいてきたAちゃんの気持ちに何か感づくことはなかったのか。Bちゃんが叩くという行動に出るほど嫌な感じをもった理由など、色々相手気持ちを伝える事で、だんだん2人の気持ちは着いていきました。ケンカの納得も自己決定の大事なシーンの一つなのです。
(園長 島本)
|