ゴールデンウィーク明けには、すっかりインフルエンザの流行もおさまりホッとしたのもつかの間。下痢や発熱のお子さんが増えてきています。小さい子は、自分の身体の不調を正確に訴えることができないので、泣いて機嫌が悪かったり、食事を食べなかったり、保護者の方から離れなかったりと様々なサインを出して訴えます。このように、体調の変化は熱や咳・鼻水など目に見えるものだけではありません。子どもの様子がいつもと違うと感じたら、「疲れているのかな?」「どこか具合が悪いのかな?」
という視点でお子さんの観察をしてみてください。子どもが何らかのサインを出している早い時期に、十分な休息や安静を保つことができると、病気や体力の早期回復にもつながりますよ。
歯の健康 ~子どもの歯を守るために~
先日、歯科健診がありました。個別に結果をお知らせしましたが、欠席した子の受診が済んでから園全体の様子もお知らせしたいと思います。
きれいで丈夫な永久歯を得るためには、乳幼児期の歯を健康に保つことがとても重要です。大切な歯をむし歯から守るためにも、
むし歯の要因や予防についての理解を深め、ご家庭と園とで連携を図っていきましょう。
★どうしてむし歯になるの?
歯質・糖質・菌(微生物)・時間の4つの条件が重なり合ったとき、むし歯になります。歯質は、遺伝的な要素もあり、変えることはできませんが、
それ以外の要因は大人の配慮や正しい習慣を身につけることによって変えることができるものです。
特に乳幼児期は、保護者のサポートが重要です。
むし歯予防4つのポイント
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食べたらみがく習慣をつける。
菌の繁殖を抑えるためには、食後30分以内にみがくことが効果的です。
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栄養バランスのよい食事をする。
バランスのよい食事を食べることで糖質のとりすぎは抑えられ、骨や歯によいとされるカルシウムは、ビタミン類やリンと一緒にとることで吸収されやすくなります。
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規則正しい生活習慣を身につける。
生活リズムの乱れ、特に睡眠不足は、身体の機能が低下し、抵抗力が弱まるなど身体のあらゆる面において悪影響を及ぼします。
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定期的に検診を受ける。
むし歯は、早く発見し治療をすることで、永久歯に影響を残さずに済みます。
保育から子育てを学ぶ-保育には子育てのヒントがいっぱいあります-
これから梅雨入りまでの間、外遊びの楽しい日々ですね。園庭は、あれやこれやの賑わいです。そう広くない空間ですが、山坂あり、見晴台あり、花壇あり、砂場あり、日陰あり。子どものあらゆる感覚を刺激して、創造性と探索の喜びを作り出す演出をしています。4月の頃には、家のことを思い出してめそめそしていたり、自分の高ぶる感情がうまく扱えずに誰かと衝突たりして、せっかくの楽しい遊びの時間を有効に過ごせない子どもをみかけました。そのような子どもたちも、今はしっかりと自分の居場所を見つけて、せっせと遊びに精を出している姿に変わっています。ずいぶんとたくましく、生き生きとした笑顔で過ごせる時間が長くなったな、とこちらもうれしくなります。
このように子どもはものすごい勢いで、この2ヶ月を駆け抜け、成長しています。それは間違いないのですが、一方で、なんだか家にいるとだらだらして、自分でできていたことまで、親にやってもらおうとするとか、必要以上に切り替えができずに親に絡んでくるなど、成長している方向とは反対の、つまり退行した様子を見せる子どももいるようです。今までできていたことがどうしてできないの?と思ったり、子どもとぶつかって面倒になるくらいなら、こちらでやってしまえ、と思ったり。どれも正解だろうと思います。これにもう一つバリエーションを加えてもらうと、もっと関係が変化します。一番変わってくるのは、子どもがなぜできることをしないで、へんてこりんな自分を家では見せるのか、そのこと自体をちょっと面白く感じながら、こちらがゆとりを持って、彼らが暮らしている毎日を想像してみるときではないでしょうか。
今日はとっても頑張りましたよ、なんて、先生からほめられた晩だったりします。小さな子どもたちも、案外大人と同じように、世間体を気にして、それなりに、背伸びをして暮らしているかもしれません。成長する一日を過ごした我が子に乾杯!
(臨床心理士 青木紀久代)
食育-親子クッキング-
園では、5月14日に4・5歳の親子クッキングを行いました。メニューは子どもたちが決め、4歳児はサラダ・5歳児はチャーハンを担当で作りました。その時、驚いたことにmy包丁を持ってきた家庭が多く、「お家でもお手伝いをしてるの」と自慢げに話す子や、「がんばるぞ!」と気合を入れている子もいました。
調理がスタートすると、包丁を使う手がちょっとぎこちない部分もありましたが、子どもたちの目は真剣で、なにより楽しんでいるのが印象的でした。配膳の時も、お父さんやお母さんの食器を持ってきて、一生懸命に盛り付けている姿がとても微笑ましい光景でした。
自分たちで作ったものは格別のようで、みんな「おいしい」とたくさん食べていて大満足な様子でした。保護者の方も、親子クッキングで子どもたちの成長を実感できたのではないでしょうか?食事は、子どもとつながる絶好の機会であり、毎日繰り返す大切な時間です。
(栄養士 佐藤裕介)
子ども目線-お兄ちゃんが一番-
3歳の子どもに兄弟ができました。さあ、その子の心の葛藤はどんなものなのでしょうか。今まで自分中心に回っていた家族の構図が、一挙に赤ちゃん中心になるわけです。これは大人が考えている以上に危機感が湧き上がるはずです。ですから下の子が生れたら、今まで以上に『感情の発達した上の子』中心の生活が求められるわけですが、これが意識しないとかなり難しいものです。
そんな、兄弟が乗った車が園の前に止まりました。ところが、お兄ちゃんが車からなかなか降りてきません。どうしたのかと思いのぞいてみると、お父さんが「シートベルトをはずす順番を間違えました」とのこと。弟の誕生を少しずつ受けとめている時でも『お兄ちゃんが一番』というプライドはとっても大事なものだったようです。すると、お父さんは「もう一度やりなおします」といって、抱いていた下の子を再び車に乗せ、シートベルトを付けました。そして、今度はお兄ちゃんの方からはずしたのです。
これで完全にすっきりとした表情になったわけではありませんが、その子は気持ちを切り替え、一人でゆっくりと車から降りてきました。なかなか出来ない対応ですが、子どもにとっては大事にされている安心感が生まれてくると思います。子どもの言いなりになることに抵抗のある大人の方もいると思いますが、『この時大事にされた体験が今度は弟や友だちに対しても出来るようになる』と私は思うのです。とても素敵なお父さんの関わりでした。
(園長 島本一男)
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