年の瀬を迎え何かと忙しい12月は、クリスマスや冬休み、さらにお正月と楽しいイベントが続きますが、その一方で、生活リズムが崩れやすい時期でもあります。また、さまざまな感染症も流行する時期なので、大人時間にまかせて過ごしてしまうと、子どもたちの身体にはやがて限界がやってきます。普段通りに、お昼寝の時間や一定の睡眠時間を確保し、食事をきちんと食べるなど、子どもにとって無理のない、時間にゆとりのあるお休みの過ごし方を計画してみてくださいね。
ウイルス性胃腸炎(嘔吐下痢症)にご注意ください!
ロタウイルスやノロウイルス、アデノウイルスなどによるうつる病気です。突然吐き始め、水のような下痢(レモン色〜白色)が出ます。熱が出ることもあります。発熱や嘔吐は1〜2日で治まることが多いですが、下痢は1週間前後続くこともあります。
検査をしても、すぐに結果がわからないため「お腹のカゼ」や「ウイルス性のもの」と診断されることが多いかもしれません。しかし、感染力が強いため、集団生活においてはあっという間に流行してしまう恐れがあります。もちろん大人にもうつるので、保護者や職員にも感染する可能性があります。
このように、園内での流行を予防するためにも、体調不良のときには早めのお迎えと受診をお願いしています。また、原則として、症状が回復して通常の食事が摂れるようになってからの登園をお願いしていますので、ご理解とご協力をお願いいたします。
詳細は、春に配布した「保健衛生のしおり」の保育園利用ガイドをご覧ください。
嘔吐・下痢のときのホームケア
嘔吐や下痢が続くと脱水症状を起こすこともありますので、家庭での水分補給が大切になります。
- 吐き気が強い間は何も飲ませない。
- 吐き気が落ち着いたら、水分を少しずつ飲ませる。(水やお茶を飲んでも吐いてしまううちは、イオン飲料などを飲んでも吐いてしまいます。)
- 水分を摂っても吐かないことを確認できたら、消化のよいものを少しずつ食べる。
(煮込みうどん、おかゆ、豆腐、スープ、バナナ、りんご、煮野菜など)
何を食べるかは便の状態が目安
水のような便のとき:水分を中心に。野菜スープ、味噌汁、おもゆ、リンゴのすりおろしなど。
ドロドロの便のとき:豆腐、パンがゆ、バナナの裏ごし、にんじんやかぼちゃの煮つぶしなど。
やわらかい便のとき:おかゆ、うどん、白身魚の煮付け、卵、鶏のささみ、野菜の煮付けなど。
- 炭酸飲料やジュースなど、糖分を多く含む飲み物や食品は下痢を悪化させることがあるので控える。
- 冷たい飲み物や食品、油っこいものは避ける。
- 下痢で排便の回数が増えると、皮膚がただれて痛くなるので、おしりの清潔を心がける。
(熱があって入浴できないときは、おしりだけ洗ったり、温かいタオルで優しく拭くなど)
保育から子育てを学ぶ−保育には子育てのヒントがいっぱいあります−
園の事務室に、小さな木製の電話があります。ボタンも押せないし、音も鳴らない。遠目に見ると、ただの木片です。大人の事務机の片隅に置いてあります。
毎日ここには、いろいろな人が出入りします。子どもたちも、いろいろな理由で、ここにやってきます。例えば、調子が悪くなってベッドで休んだりもしますし、ちょっとした傷の手当てにくることもあります。あるいは、昼食のおかずに関する放送を行うために、「味見隊」の子どもたちがやってくることもあります。
今日やってきたのは、お昼寝ができずに騒いでいた男の子でした。事務室に来るのが楽しいという顔をしていましたが、担任の先生が部屋を出て行くと、実はちょっと元気がなくなりました。小学校に上がるまでの子どもは、親や親しみのある大人と分離すると、多かれ少なかれ、寂しい気持ちがわいてくるものです。
男の子は、何気なく木製の電話を手に取りました。机の向こうで大塚先生が、本物の電話をちょっと手にとって、「もしもし〜」。「つながった!」。子どもの目がきらりとします。「もしもし〜」びっくりするほど沢山お話ししていました。誰かとつながり感を回復することを彼が無意識に求めているのだということが、よくわかります。私は、大塚先生の魔法の話しが一区切りするまで、外から電話が鳴りませんように、と願わずにはいられませんでした。お迎えを待ちわびているとき、喧嘩をしてクラスを飛び出てしまったとき・・・・この木製の電話は、きっと沢山の子どもたちのつながり感を回復させてきたのでしょう。
今年もあとわずかですね。どうぞ良いお年をお迎え下さい。
(臨床心理士 青木)
食育−リクエストメニューと旬の話し−
毎月15日くらいになると、リクエストメニューを3歳〜5歳の子どもたちに聞き、来月の献立に入れています。ある日、廊下を歩いていると、子どもたちが保育者の前に集まり、ホワイトボードを見ながら何かを決めている姿がふと目に入ってきました。「何だろう??」と思い見てみると、リクエストメニューを皆で決めているところでした。「どんなメニューが出ているのかな??」と思い、保育室にそーっと入って聞こうかなと思ったその時でした。その時期に旬だった、さつま芋を使った料理があったので、その場で旬な野菜の話をし、どんな調理法がおいしいのか、子どもたちと一緒に決める事が出来ました。
そんなやり取りをしたのがきっかけになり、保育者から、「リクエストメニューを決める際、いつも迷ってしまいなかなか決まらないので、給食の先生が少しでも来てくれて、その時期に旬な野菜の話を一緒にしてくれたらメニューが決まりやすい!!」と頼まれました。それからは、毎月15日近くになると旬な野菜や果物・魚の話をしにクラスに行くようになり、どんな調理方法が一番おいしいかなどを伝えると、すぐに子どもたちから、「○○がいい!!」などという声も聞けるようになりました。ご家庭でも是非その時期の旬な話をしてみて下さい。
(栄養士 石井)
子ども目線−手伝い−
5歳児が、クラスでクイックルワイパー(掃除用具)を見つけました。「あっ、これ家にもある!」というと、猫のしっぽの様な先をさわりながら、キョロキョロしはじめました。どうやら拭くところを探しているようでした。そして、ぎりぎりで届きそうな高さの棚の上を拭きはじめました。しかし、背が届きません。「ああ、ごくろうさんですね。掃除ですか?」と声をかけると、「先生、これ早くどかして。」といいました。足元にあったテーブルとイスが邪魔をしていることに気付き、それをどかしたら届くと予想したのです。次には、窓のサッシの桟(さん)を拭こうとしたのですが、これには30cmほど高さが届きませんでした。すると、本棚に足をかけて上ろうとしたので、「それは危ないと思うよ。はい社長、椅子を使ってください。」と言って渡してみました。すると、ここでもう完全にスイッチが入ったらしく、椅子を運ぶ子と、拭く子と2人でコンビを組んで、そこらじゅうを拭きはじめました。気がつくと廊下にでて、部屋の外から埃のたまりそうな桟を見つけてニコニコしながら拭いていました。
誰に頼まれるでもなく始めた拭き掃除ですが、楽しい遊びとして成立したようで、30分近くたってもまだ続いていました。これが、お手伝いとなるとすぐに辞めてしますのでしょうが、自分から主体的に取り組むものには、すごい力を発揮するものです。これから家庭でも大掃除などが始まると思いますが、子どもが意欲を持って取り組めるかかわりを工夫したいものですね。
(園長 島本)
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