急に冬らしい寒さになり、空気も乾燥しはじめました。八王子市のホームページ(小児感染症情報)においては、ここ数週間、毎週20人ほどのインフルエンザの発生が報告されています。地域によっては、感染性胃腸炎(ノロウイルス等)も流行しているようですので、体調管理には十分ご注意ください。今週末には、お楽しみ会も控えていますので、体調の優れない日には無理をせず身体を休めるなど、当日全員が元気に参加できるといいですね。
また、空気が乾燥する時期には皮膚がカサカサと荒れ、かゆみが出ることもあります。お風呂あがりや登園前など、お子さんの肌の状態に合わせて保湿ケアを心がけていただくようお願いいたします。
<子どもの肌が荒れやすいワケ>
子どもは、肌のバリア機能が未発達なので、乾燥するとその肌のバリア機能がどんどん失われるため、荒れていきます。肌を保護するバリアがない状態なので、乾燥肌が進むとあかぎれや発疹などさまざまな皮膚トラブルが出やすくなります。
<スキンケアの基本は、清潔と保湿>
清潔と保湿が、健康な皮膚を作る基本です。日ごろから、外出後・手洗い後・入浴後・登園前などに保湿クリームを塗るなど、日常的なケアを心がけてみてください。
実際、体をかゆがっているお子さんが増えてきています。掻いている部分を見てみると、体中がザラザラしている、発疹が出ている、手の甲や頬の皮膚のしわやひび、赤みなどさまざまです。いずれも、放っておくと掻きむしって傷だらけになったり、ひび割れて出血するなど、子どもの不快やイライラが増したり、集中して遊べなくなったり、かゆみや痛みで眠れなくなってしまうこともあります。ひどい状態になる前に、肌の乾燥を予防できることがベストですが、症状に気づいた時点からでも遅くはありません。
すぐに十分なスキンケアをしてあげられるよう、毎日肌の状態を観察してみてください。
また、冬でも半袖や半ズボンで過ごすお子さんもいますが、冬に肌を出していると肌の状態が悪くなることがあります。乾燥肌が気になる場合は、長袖・長ズボンを着用することをおすすめします。
※市販のクリームやローションは、低刺激のものや、子ども用のものをおすすめします。
肌の弱いお子さんや、薬を舐めてしまう心配のあるお子さんは、受診をしてお医者さんと
相談してみてください。
もしも、あかぎれになってしまったら・・・
皮膚が極度に乾燥し、潤いがなくなることで外からの刺激を受けやすくなり、割れて炎症を起こしたものがあかぎれです。
基本的なケアは、ワセリンなど油分が入った保湿剤を塗り、血行をよくすることです。ただ、切れた部分から細菌感染を起こしてジュクジュクしてしまうこともありますので、その場合には、皮膚科を受診し症状に合った治療を相談してください。
保育から子育てを学ぶ−保育には子育てのヒントがいっぱいあります−
あるクラスで、お昼に小さなテーブルを数人が楽しそうに囲んでいました。先生は、お皿やコップの数の確認を求めていますが、お嬢さん方は、振り向きもしないで、せっせと話に余念がありません。そっと近づいてみると、一人が小さなスプーンで何かの魔法をかけていました。かなり突飛な感じで、なぜ今ここで?と思うのですが、となりの女の子は、魔法の中味をぽんと受けて、それじゃ、次は・・・とまた突飛なことを言って応えています。相手の話を良く聴いていないと、とてもこんなふうに、絶妙なテンポで連想が続くのは不可能です。大人の感覚からすると、「実に奇妙な会話」が錯綜しているテーブルなのですが、子ども側にすると、「耳を傾ける価値のあるまっとうな会話」なのだということが、彼らの表情を見るとわかります。
話が聴けないことに着目すると、確かにこれは、注意されるべき事態なのです。学校に上がるときに、一番問題になることの一つかもしれません。けれども、自分で思いつくままに言葉が溢れてきて、とにかく楽しくしゃべる体験を多く持ってもらうことも、ものすごく大事な時期でもあります。子どもは大人の話を最優先に聴くべきだ、というそれこそ大人の偏った価値観で、今咲き始めた子どもの初々しい言葉のコミュニケーションの花をつみ取ってしまいたくない。このような子どもの視点に立った保育をしようとすると、かなり悩ましいことになります。
パーティ会場のあちこちに話の華が咲いている中で、スピーチが入るようなときに、全体の雰囲気を壊さないで、うまく注目を集められる手際の良い司会者を想像してみて下さい。そこには、一人一人の出席者が大切にされる前提があります。これと似たような価値観で、食事の始まりを作り上げてみることは、きっとセンスの良い保育実践のヒントになるはずです。
(臨床心理士 青木)
食育−サツマイモの力−
今月は、地域で作物を育てている清水さんの畑でさつま芋掘りをさせていただきました。年長さんが数えてくれたさつま芋の数は、全部で313本、重さはなんと101.7kgもありました。夏の猛暑で、さつま芋の出来はどうか心配でしたが、まん丸によく太ってズシリと重みのあるお芋だったので、子どもたちもとても喜んでいました。
園では、給食やおやつにいろいろと利用してきましたが、自分たちで掘ってきたお芋なので、みんな率先して洗ってくれたり、手伝いをしてくれて、さつま芋がどういう形で給食やおやつに出てくるのかを楽しみにしてくれました。中には、ホットプレートを使って子どもの目の前で調理したクラスもあり、収獲から食べるところまでをしっかり楽しめたようです。このような活動を保育園でやるには、日程調整や、衛生面、安全面など、細かな準備が必要なため、実施する回数には限りがあります。しかし、家庭では買い物から調理までちょっと工夫すると、いろいろな形で食にかかわった体験ができるのではないでしょうか。意欲や興味が育つ直接体験は、今の子どもたちにとってなにより大切な教育です。来年の春には、プランターを使った家庭菜園などもどうぞチャレンジしてみてください。なお、さつま芋にはビタミンCが豊富に入っていて、これからの季節、風邪の予防にもぴったりな一品です。
(栄養士 佐藤)
子ども目線−おもちゃを考える−
各クラスには、風呂敷大のカラフルな木綿の布が置いてあります。子どもたちはそれを使ってテーブルクロスにしたり、敷物にしたり、お人形の布団にしたり、エプロンや洋服、頭巾などの変身グッズにして使っています。たった一枚の布が子どもたちの創造力によっていろいろなおもちゃになるわけです。私がこのように布をおもちゃとして保育室に準備している環境に出会ったのは、もう20数年前、ドイツで実践されていたシュタイナー教育と出会った頃でした。おもちゃというと形あるものが中心になりがちですが、そこには石や貝殻、木片などの自然物が保育室にきれいに飾ってありました。子どもの持っているファンタジーの力を引き出しながら、創造して遊ぶ力を育てる意図があったようです。
そういえば先日、0歳児のクラスでスパークハーフという薄手の透き通る布が欲しいということで、さっそく購入しました。それは、お楽しみ会で見ることができると思いますが、保育者との関わりを深めるためのアイテムの様な役割もしているおもちゃだと思いました。もうすぐクリスマスがやってきますが、私達大人がおもちゃを通して子どもとどうかかわるかが試されます。今のおもちゃは、高価で子どもたちの欲求を駆り立て、一人で静かに遊べるようなものが好まれるようですが、人とかかわって平和に遊ぶおもちゃの大切さを考えてみてください。
(園長 島本)
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